2024年度の猟期から始めた散弾銃での大物猟ですが、先日の出猟5回目でシカを獲ることが出来ました。
狩猟は誰かに教わることなく一人で始めたので、大物も今年の猟期中に1頭取れれば良いかなと言う気持ちで始めました。ところが思っていたより早く獲ること出来たので本当に嬉しいです。今年は可能な限り出猟してシカ・イノシシを狙っていこうと思ってます。
今回は自分自身が銃猟で初めての四つ足を獲る事が出来た5日間を、自分のためにも文章にして残しておきたいのでそのことを書きたいと思います。
猟期が始まる。散弾銃での初めての大物狙いでの出猟 1回目
2024年度の猟期が始まりました。猟場の候補は3か所。どの場所も鹿には遭遇していますが、その場所に多く生息するのかは不明。
猟期前にすべての場所をもう一度下見しなおしてます。一か所は以前は艶々したまだあまり古くない糞がそこそこあったのに猟期前になるとありませんでした。シカは季節で移動すると本で読んだことがあるので移動したのかな?と思いながらも猟場の候補も少ないのでこのまま通ってみることに。
僕の住んでいる県の猟期は11月15日から。15日の天気は午後から雨予報でした。雨の山は怖いのでまずは初日は山の手前を軽く歩く程度にしようと決めておく。
自分には射撃(スキート)を教えてくれる人はいますが銃猟を教えてくれる師匠的な人はいません。本やYouTube、X(Twitter)なんかで勉強しています。狩猟のグループなどにも入っておらず巻狩りなども経験したことはありません。
一人で始めるにあたり狩猟のスタイルが忍び猟、これ一択だと思い忍び猟についてを沢山調べました。それと必ず気を付けることは矢先やバックストップなど確認など当たり前の事ですが安全面のことを徹底するです。
猟場について呪文のように唱えていたのが「SLLS シルス」(Stop,Look,Listen,Smell)。前もって調べた時に沢山のブログでも出てきた言葉。初日なのでやることはシンプルに「止まる・見る、・聴く・嗅ぐ」を徹底してみます。
鴨猟の時と同じように車は少しだけ離れた場所に置き、見通しの悪い雑木林側から入ってみました。歩いては止まるを周りを確認、音を聞きながら嗅ぐを同時に行っていく。これを繰り返しながら歩くこと30分。あたりはかなり明るくなってきました。
足跡や新しいシカの糞などはある。木の枝でほぐしてみたり。途中、シカの鳴き声が近くでしたと思ったら走っていきました。30mくらい先にいたのに気づかず・・・。逃げた先が見通しの良い場所だったこともありシカが一度立ち止まってこちらを見ている姿が見れた、オスだ。
撃っても当てる自信がない距離なんで姿が分からなくなるまで見ていました。初めての忍び猟でシカを見れたことが嬉しかった。いなくなった後にゴルフ用のレーザー距離計で距離を調べて見ると84m。高低差はあるけど大まか84mってこんな感じなんだなと。
午後の天気の事も考えるとそろそろ帰った方が良いなと思ったので、行きと同じようにSLLSを意識しながら下っていく。ガーミンの時計とiPhoneに入れてあるスーパー地形を使って寄り道はせずきた道を同じように帰る。
同じ道でも登りと下りでは景色が違う。下ってる時の方が見通しが良い。これが上にいるシカやイノシシが気づきやすいだろうなぁって思った。途中に小雨が降ってきたので少しだけ早めに下ることに。車まで5分くらい、無理せず。
初めての大物猟(単独忍び猟)はこんな感じで終わり。初めてでしたが色々な経験ができたし気づきが沢山ありました。帰りの車内では次はこうしてみようなど考えながら帰宅。色々と考えながら帰ったせいか、行きより早く時間が過ぎた気がした。
出猟 2回目 歩くは止まるの歩数を考えて見た
出猟2回目、二日連続です。今日の猟場も初日に行った場所と同じ。場所をコロコロと変えるとその猟場が実際にシカが多いのか少ないのか?が分からないと思い連続でいく事に。前回感じたこと、次はこうしてみよう!ってのも場所が変わると違ってきそうだし。
同じ場所に車を停めて見通しの良い道を避けて山の中に。今日も意識するのはSLLS。それと今日は一度に歩く歩数を大まか決めて見ようと思う。
まずは普段通り山の中を5分ほど歩く。僕の住んでいる地域の山はとにかく見通しが悪いところがほとんど。前回はあまり意識していなかったけど今回は立木に隠れるように移動をしていこうと思う。前回も隠れ気味ではあったけど今回は立木をしっかり使用したい。立木から立木まで2歩で行けたり遠くても7歩あればいける。なのでその間の歩数で必ず一度止まろうと決めた。
まずは尾根を目指す。左側が谷があり、見下ろすように上っていける地形。もし谷側にシカやイノシシがいたら自分の方が見つけるのが早いんじゃないのかな?とか考えがら歩いていたら前日の4倍くらい時間をかけて登っていた。
「止まる・見る、・聴く・嗅ぐ」を丁寧に繰り返していると自然とゆっくりになる。実際にその日は立ち止まって「見る」をしていたら50m先くらいの景色に違和感を感じる。何かが動いている!?ような気がした。1分くらい動かずに隠れて見ていたらシカが谷側の沢に下りていきました。
V時になってる谷にいるのでバックストップはある。それでも心配で30秒くらい矢先とバックストップの事を何度も考えてしまう。50mでゼロイン調整はしてある。バイタルあたりを狙えば当たるんじゃないのか?とか色々と考えている間に反対側の山に素早く登って行ってしましまった・・・。撃つべきだったと思った。
撃たなかった(撃てなかった)ことをこの後ずっと後悔していました。それでも先にシカを見つけることが出来のは嬉しかったですね。2回目の猟はこの後は山の早くのために7時間くらい歩き回って終わり。
出猟 3回目 撃ちました
出猟3回目。本当は同じ場所に行きたかったんですがなんとなく場所を変えて見ました。今回の場所も何時間か下見で歩いている場所なので尾根や谷、沢があるところは少しだけ把握しています。
今回は一番近い尾根までゆっくりと登り、尾根をトラバースする感じで回ることに。今回は山の中でお湯を沸かしてお昼ご飯を食べるつもりで道具も多め。
11時くらいに早めの昼食。ジップロックのスクリューロックに50gのオートミールと中華スープのフリーズドライを入れて持ってきた。低山登山などでも良く使う組み合わせ。ゴミも出ないし、汚れたスクリューロックでそのままミルクティーを飲んで綺麗にしてごみ入れとして利用する。コッヘルもお湯を沸かすだけだから汚れない。
大物猟を登山や食事、景色など色々な事を試しながら楽しみたかったから昼食と食後のミルクティーは最高だった。ミルクティーを飲みながら意味もなく双眼鏡で遠くを見てのも楽しい。もちろん双眼鏡の先には何もいない。
食事後、尾根をぐるっと回る。そこまで大きな山ではないけどゆっくりと回ると何時間もかかる。歩いていて思ったのは、もしここでシカやイノシシに遇ったとしてもバックストップの問題で撃てないなって場所が多いこと。こう言うことも考えて撃てる場所を回った方が良いのかなと思いながら歩いていたらシカの鳴き声が。
尾根から見ると倒木だらけでかつで土砂が流れてできた浅い沢のような見通しの良い場所のかなり下の方からメスの群れが上がってきました。
先頭のシカが止まると他のシカも止まる。見通しは良いけど距離もあり、尾根の反対側に斜面に隠れるよう見ていたからか気づかれてないっぽい。レーザー距離計で測る余裕もあったんで距離を見ると表示は54m。
バックストップも問題なし。前回の撃たなかった後悔を思い出し、今回は撃とうと決めました。装填するのが1発だけ。3倍だったスコープを6倍に調整、木に体を委託するような感じで狙いました。頭や首だと自信がない肩口くらいのバイタルへに合わせる。射撃場で練習した時と同じように絞るように引き金を引く。
撃った後は中ったのかどうかは分かりませんでしたが、シカたちは音に驚いて逃げたような感じでした。シカのいた場所に向かい、もしかしたら中ってるかもと思い血痕を探すも無し。
シカのいた場所から自分のいた場所を見て見ると自分の想像していた隠れることが出来ていたみたいでした。やはり上から下を見る方がバレにくいし、先に発見しやすいんかな?と思いました。その後は下から色々な角度で尾根側を見て見たり、同じように上から見て見たりして見え方の違いを確認。
その後、何か所か尾根に隠れるように歩いてはしばらくそこで待ってみたりしながらゆっくりと下っていきました。この日はその後は大物には出会うことはありませんでしたが自分で先にシカを見つけて発砲するまでを経験することが出来たのは大きな収穫だったと思っています。
この日はこれで終わり。
出猟 4回目この日は尾根でひたすら待ってみる
この日は初日に行った場所の尾根でひたすら待ってみようと決めて行きました。この尾根に行くまでに獣道が何本かあり、そこをまっすぐ下っていくと杉林あってそこにはアオキがあるのを確認しているのでもしかして餌場なのかな?と。
尾根に真っすぐ向かっていくと獣道を通ることになるので少しそれた場所から尾根に向かうことに。今回はここに数時間はいようと思ってきました。同じ場所に何時間も居続けることを試したことがなかったから。
尾根に目的の尾根に到着後、獣道から見えにくい位置にポジションを取り待つことに。この日が3か所ほど位置を変えて7時間ほど山の中にいましたが、シカの姿は一度も見つけれず。
鳴き声は遠くで聞こえていたのでシカがいるのは確実だけど自分の隠れ方が悪いのか、この場所を移動に使っていないのか・・・まだまだ初心者なので分かりません。何度も猟場に行って経験するしかなさそうです。
4回目の出猟はこれで終わり。帰りの車内で大物猟を始めた人は最初の一頭は何回目くらいで獲れたんだろ?とか考えていました。
出猟 5回目 初めての大物、シカを獲る
出猟5回目。今日も獲物を獲る気は満々。出猟5回目で終わった猟場は前回と同じ場所に決めていました。
夜中から風が強いなとは感じていましたが、猟場についてからも風が強い。風が強い日に忍び猟に出るのは初めて。風でシカやイノシシに気づかれにくいとかも聞いたことはある。イノシシは鼻が利くから風下からってのもどこかで聞いたような・・・。その辺は良く分からないけど今日も山に入って見る。
いつも通り基本的な動きは「SLLS シルス(Stop,Look,Listen,Smell)「止まる・見る、・聴く・嗅ぐ」。を意識してみる。山への入る位置を少し変えて見た。立木が多く、より周りからは見えないような位置から。
山に入ると風の強さを音で感じる。枝が揺れる音や葉っぱの落ちる音。特に猟期はじめなのでまだ葉が落ち切ってないせいかより感じる。山に入って30分ほど時間が経ったくらいかな。風がかなり弱くなりました。
その時、見通しの良い場所にシカをいるのを見つけました。下を向いて何かを食べている。バックストップは自分が少しだけ回り込めば数メートル先に確実な斜面がある!ざっと正確な距離は分からないけど50mだったと思う(後でレーザー距離計で測ると45mでした。)
とにかく気づかれないように回り込りこむ。確実な場所まで移動してくると軽く見下ろすような景色。いつの間にか片膝をつくような姿勢になっていたのでそのまま座射で撃とうと決めました。射撃場ではやったことがないので家で練習した姿勢で。
3倍にセットしといたスコープを6倍に。最後にもう一度目視で全体を確認。もう一度スコープを覗き絞るように引き金を引く。撃った瞬間、シカが真上に飛び跳ねました(飛び跳ねるように見えた)その後すごい早さで走り出しましたが、確実に当てた自信があったのでシカのいた場所にいく血痕が。
血痕をたどっていく。最初は少ない血痕も辿ればたどるほど徐々に多くなっていった。下ばかり見ていたので倒れていたシカの足が目に入った時は自分が飛び上がりそうになるほど驚きました。あの時は血痕を追うことに必死でシカの事をすっかり忘れていた。
大物忍び猟ではじめて獲ったシカ。一生忘れることはないと思う。猟期は始まったばかりだけどとても短い期間。色々とやりたい事ばかりだ。